青い壁青い壁 今年の春の優しさは 要するに自分が壁に塗り込められているのではなく 自ら壁を築きあげたことにある 時には揺れ動くこともあるが 結局自分が続けているのは 青い壁 沼沢尽きない古代から ピテカントロプスの非人称的存在の 復活だ 今年の春の淋しさは 要するに自分が壁に塗り込められることなく 自ら壁を築きあげざる得なかったことにある 天井だけが妙に高いその部屋で 一人蒼い顔をしている男の胸部を 切開してみると 腐乱した自由の潰瘍 俺は自由を見捨てよう 転移する前に見放そう 極大から極小へ 死装束を着て 未文化な自由の定義には 訣別しよう |